渡辺果樹園
意外にも昔から存在する果樹産地なんです
渡辺果樹園は、三条市の最北端、日本一の大河「信濃川」のほとりにひっそりとあります。
雪残る山々の峰を、はるか遠くに望む越後平野。その平野のほぼ中央、新潟県の果樹地帯は思いのほか広く存在します。
一万年以上前から、いくつもの川が流れ込むこみ、ミネラル豊富で肥沃な燕三条エリア。
雪解け水も受け入れ、とうとうと流れる信濃川。その水量の豊かさは一帯を潤します。
そして度重なる氾濫は、より肥沃な土壌を形成してゆきました。
また新潟県の天候は、春先から初夏にかけては、不思議な位に晴天に恵まれます。
そんな好条件がいくつも揃い、昭和初期には梨の栽培面積が日本一でした。
私自身、20年ほど前に樹齢80年の梨の木を、親父と共に倒した記憶が蘇ります。
農家としてスタート
32年前、大学を卒業して、当然のごとく実家に就農しました。
当時はバブル真っ只中。高校の同級生が大学を卒業して就職したのが証券会社。
その年の6月、研修期間中の新人社員にもかかわらずボーナスが100万円出る時代でした。
当時の私は人前で話すのがあまり好きではなく、特に学生の頃はとてもナーバスな人間でした。(と自分では思ってました)
他人との関わり方に常に不安を抱え、その自信のなさから自分自身が誰と何を話したか約1週間分ほぼ覚えていました。(もっとこう言えばよかったといつまでも後悔していたのです)
そんな私にとって農業と言う職業は実に都合が良いものでした。話す機会も少なくて済の作業に没頭すれば人に気を使う必要もなかったためです。
世の中が浮足立っていた中、私自身はさほど迷いもなく農業に入り込んでいきました。
農業に胸を張りたい
農業に自分の居場所を見出し、植物との関わりに少しずつ「喜び」や「やりがい」感じ始めた頃、何気ない一言に当時農業という職業が、世間的にどう位置づけられているのか痛感させられました。
「頑張っているわね」
多分50歳位の女性だったと記憶しております。本人は無意識に褒めたつもりだったのでしょうが、その目の底におぼろげなさげすみの色を感じたのです。
土地や株がいくらでもお金を生んでいた時代、汗と土にまみれ、朝早くから働く農業は、歴史的な位置づけも含め、時代の花形職業からすると完全に蚊帳の外の職種でした。
(異様なくらいに人が繰り出していた当時の飲食街で、若い女の子と知り合う若い農業青年は自分の職種を隠し、なぜか運転手がサラリーマンのなってました)
もっと農業をやってることを胸を張って自慢したい…そんな思いがふつふつと湧き上がってきた30年前の私でした。
また当時にこのころ興味を持ち始めた無化学肥料栽培や、農薬を減らす取り組み、炭などを畑に埋めて磁場を整える特殊な農法などにも傾倒してゆきました。
こんな農業に対する想いと、自分が畑や土、植物に対する取り組みを知って欲しいと言う思いが相まって現在までの原動力になってきました。
燕三条「畑の朝カフェ」の始まり
燕三条プロジェクト発足
三条市と燕市が協力して立ち上がった燕三条プロジェクト。
工業・商業・農業・観光とバランスのとれた魅力あふれるこの地域を、世界に冠たる地方都市にする。そんな理念で立ち上がった燕三条プロジェクトが10年前に発足しました。
いくつも立ち上がったプロジェクトの中の一つ、レストラングループ内で、地元の農産物などの食材をいかにアピールし、県内外に知ってもらうかを担当する委員会が現在の朝カフェ実行委員会のメンバーでした。
「畑の朝って気持ちいいんだよね」
食材チームメンバーで何度も何度も協議を重ね、燕三条らしい食材の提案の仕方とは何なのか懸命に、迷いながら答えを探しあぐねていました。
「やっぱり畑の朝って気持ちいいんだよね」
そんな魅力的な場所で実際に農園主の思いを聴きながらそこの農園で生産された農産物をいただく。この地域の魅力として、その場のカトラリーやテーブル、椅子も地場産品で揃えることができます。
畑の中丸ごと、その地域が凝縮されていることがとても大切なのではないかと言う結論にいたりました。
朝日が昇り、朝露の湿度感が残る、空気の微粒子に包まれるような気持ちよさ。 毎日当たり前に感じているんだけど、ここに触れてもらうのもいいんじゃないかと。
渡辺果樹園の栽培品目
当園では、7月下旬から収穫できるぶどうは、シャインマスカットなどの種なしの品種を主体に、10月いっぱいまであります。 日本梨は、8月中旬から幸水の収穫始まり、9月中旬にはあきづきの収穫となります。 11月下旬から12月いっぱいは西洋梨「ルレクチェ」が出荷されます。
栽培農家として安心・安全・おいしいは当然のことと考えております。 つまりそのことに対して努力する事も当たり前のことであり、歳をとったせいもあるのか、あまり力説することがなくなってきました。こんなんできましたといった感じで説明をさせてもらってます。 年齢を重ねるごとに少しは謙虚になってきてるのかもしれません。 それと同じくらい大切にしている事柄として、がっかりしてもらいたくないという思いも強く持っているつもりです。 そのための品質管理でありや、その延長上にパッケージデザインもあると考えます。
渡辺果樹園の目指す農業とは
幸せなことに、若い時に感じた、農業者としての心意気と、世間との認知的なギャップもほぼなくなりました。
それは自分なりにあがくように活動し、わずかでも果樹園が認められたことと、そしてそれ以上に、次の世代あるいは次の次の世代の若者たちがとてもがんばっていることが大きいのだと思います。
今の私の悩みは、肩をいからせ前のめりに農業をする必要もなくなり、ただ純粋により良い果物を追求することを喜びとする現状だけでいいのか?少し疑問を感じています。
人口減少が叫ばれている中、人の意識もまだまだ変わっていくものだと思います。
目まぐるしく変わる世の中に、必要とされるスタイルをどう作っていくのか、朝カフェなどをを通じて皆様から教えていただきたいと思います。
生産した農産物を通じて食べる喜び。朝カフェや工場の祭典に参加させてもらい農園を伝える喜び。そこから生まれる理解する喜び。 ボランティアスタッフや作業スタッフの方々に感じてもらいたい応援するや喜び働く喜び。
そんなことをどう表現できるのか考えながら日々仕事をしております。 若い時、自分の居場所をなかなか見つけられなく悶々とした記憶を財産とし、果樹園の中に安らぎを少しでも感じてもらえるよう取り組んでいきたいと思います。
渡辺果樹園の朝カフェフォトギャラリー
渡辺果樹園の詳細情報
農園名 | 渡辺果樹園 |
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栽培しているもの | ぶどう・梨・ルレクチェ |
購入できる場所 | 渡辺果樹園のWebサイトからご購入いただけます。また、直接当園にてお求めいただくことも可能です。ご来園の際は事前にご連絡ください。 |
住所 | 〒955-0096 新潟県三条市井戸場143 |
TEL | 0256-34-5470 |
FAX | 0256-47-3922 |
Eメール | info@nature-farm.com |
Webサイト | http://www.nature-farm.com/ |
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